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巨大データセンター建設から暮らしと環境を守る署名 開始

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 三井不動産が東京都日野市に高さ72メートルの巨大(ハイパースケール)データセンターの建設を計画している問題で、「巨大データセンターから住民の暮らしと環境を守る市民の会」は9月29日、記者会見を開催しました。

 日野市が事業者と住民との協議の場を設けるとともに、暮らしと環境に影響が生じない対策を示すよう事業者に指導することを求めました。その際の配布資料から「調整会後の市の指導書の見解と要請」を掲載します。

日野市が三井不動産に交付した「指導書」についての見解と要請

 

2025年9月22日

巨大データセンターから住民の暮らしと環境を守る市民の会

 

 市長名の「指導書」が、9月12日付で、三井不動産株式会社ロジスティクス事業部長宛てに交付されました。

「日野市まちづくり条例第67条第1項の規定により、以下4点の指導内容を示し、調整会 報告書に記載された「調整案」とほぼ同じ内容が「指導事項」として指導書に添付されました。

 

・調整会による合意項目を実施すること。 不調となった項目について事業者は住民側の心情を理解し今後の良好なる関係を構築するため 周辺住民等との合意形成に向け、建設的な協議を行うこと。

・事業者は可能な限り早期に周辺住民等にとって理解しやすい資料等を提示し、調整案で対応を 求めている項目については対応時期を示すこと。

・調整会で調整不要となった要請項目について、周辺住民等に対して説明、資料提出、情報提供 が必要となった場合は事業者の責務において課題解決に努めること。

・詳細の指導項目は別紙のとおりとする。

​(※ なお、上記は日野市のホームページには掲載されていません )

 

 「指導書」は、今後、事業者に対して見解書の提出を求め、開発事業内容を指導書に適合させるよう協議を行い、問題があれば勧告、公表することができるなど、極めて重大なものです。まちづくり 条例の 「誰もが安全で安心して暮らすことができ、災害にも強く、地球環境に配慮したまちを創りあ げていく」(第 2 条)という基本理念に基づいて、事業者のデータセンター建設を規制するうえで、 今後の指導の基調となるものであり、慎重な検討が求められました。

 市民の会は、9月11日 (木)に周辺住民等の手元に届けられた「調整会報告書」を検討し、報告書 に付された「調整会委員の意見」についての見解を示すとともに、指導書作成についての意見を要請書にまとめ、週明けの16日(火)に日野市長あてに提出し、周辺住民と市民の意見を伝えました。

 しかし、日野市は、すでに12日(金)には事業者に「指導書」を交付していました。 市民の会が9月1日付で市長並びに都市計画課などに緊急要請書を手渡し、調整会報告書が公開さ れた段階で、報告書に対する 「意見書」を提出することを要請したにもかかわらず、報告書が我々の 手元に届いた11 日の翌日に「指導書」を交付したのはなぜでしょうか。

 この間、調整会開催を要請し、巨大開発事業から住民の暮らしと環境を守るために、事業者との対話と合意を求めて努力してき た住民の意見をないがしろにするものです。

 以下、交付された「指導書」について、市民の会としての見解を示し、今後、「指導書」をもとに事業者との協議を進めるうえで必要な具体的な課題を提案します。

 第1に、 「調整会による合意項目を実施すること」としたことについて、調整会報告書では「合意内容」とされていたものを「合意項目」と書き換えた問題です。

 「合意」された項目は一つもなく、これでは事業者に実施を求める内容が不明とされてしまいます。「一部合意」の調整案のどこが合意された内容か、どこが合意されなかったのかを明示し、「合意内容」の実施を求める必要があります。

 第2に、「不調となった項目」について、 「周辺住民等との合意形成に向け、建設的な協議を行うこと」を事業者に求めていることは重要です。協議の対象を調整結果が「不調」とされた3項目に限らず、 「一部合意」とされた各項目の調整案の「不合意」となった部分についても、「建設的な協議」の 対象とすべきです。そのためにも、「一部合意」の調整案のどこが合意された内容か、どこが合意されなかったのかを明示することが必要です。

 市民の会は、この間、周辺住民等が指摘してきた「不同意」 の箇所、その理由をまとめ、市長並びに関係部課に提出しています。今後の事業者への指導に生かしていただくよう求めます。 周辺住民等と事業者の合意形成に向けた協議を当事者任せにすることなく、市が責任を持って協議の場を設けることが必要です。まちづくり条例第68条3項は、「事業者は、第65条の調整会にお いても調整が整わない場合は、指導書の交付を受けた後に、まちづくりに関する施策等、第62条 第1項の意見書、調整会報告書及び指導書の内容を十分尊重し、・・・市長と誠意をもって開発事業内容の指導書への適合及び周辺住民等との合意の形成に関し、建設的な協議をしなければなら ない」と定めています。合意形成に向けた協議を市が責任をもって進めることを求めます。

 第3に、「周辺住民等にとって理解しやすい資料等」の提示を事業者に求めることは、今後の協議の 前提となるものとして重要であり、「可能な限り早期に」と事業者任せにすることなく時期を限って 公表を求める必要があります。「資料」については、例えば、建物高さによる日照への影響、電磁波・ 低周波についての健康への影響、使用電力量やCO2 排出量、火災対策、排熱量と排熱メカニズムなどが指導事項にも示されており、公表すべき「資料」を明確にして指導することを求めます。

 第4に、「調整案で対応を求めている項目」については、対応時期を示すことで終わらせず、対応を求めるのが当然です。また、調整案で「調整不要」とされた10項目について、「必要に応じて説明すること」に改めていますが、「必要となった場合は事業者の責務において課題解決に努めること」と事業者任せにしたのでは、指導とは言えません。

 大坪前市長は「情報がなければ判断できない」と再三市議会で答弁し、古賀市長は就任後の記者会見で「市民に寄り添った対応を取る」との発言をされたと伺っております。

 今回の調整会で、周辺住民等と事業者が「合意」に達しなかったことを踏まえ、市長として周辺住民等と事業者が合意形成で きるよう、事業者への指導・協議を尽くされることを求めます。

 つきましては、以下の4点について、市長並びに関係部課との話し合いの場をすみやかに設けてい ただき、ご説明いただきますよう要請いたします。

 1.指導書・指導項目の 「一部合意」について、どこが合意された内容か、どこが合意されなかった のかを明示し、「不合意」となった部分について「周辺住民等との合意形成に向け、建設的な協議を 行うこと」ができるように、市の責任で協議の場を設けることを求めます。 その際、市民の会の意見を示した9月16日付の「要請書」を今後の指導事項として活かしてい ただくよう求めます。

 2.建物高さによる日照への影響、電磁波・低周波についての健康への影響、使用電力量やCO2排 出量、火災対策、排熱量と排熱メカニズムなどの「資料等」は、今後の協議の前提となるものとし て、ただちに公表させ、説明会等で住民の暮らしや環境に影響が生じない対策を示すよう求めます。 対策が住環境や自然環境にとって十分なものかどうか、環境審議会で審議することを求めます。  3.今回の「指導書」は、「まちづくりに関する施策等、第62条第1項の意見書、第63条第1項の 見解書及び調整会報告書の内容を踏まえ」、指導書を作成し事業者に交付することと定めているま ちづくり条例67条に反し、「まちづくりに関する施策等」を踏まえた指導項目が完全に抜け落ちて います。まちづくり条例8条が「まちづくりに関する施策等」として日野市環境基本計画を掲げて いることを踏まえ、今後の指導書への適合協議などで、温室効果ガス排出削減(2030年度に46% 減)など第3次環境基本計画への適合について指導することを求めます。

 4.日野市は、調整委員から9月8日付で「調整会報告書」を受け取り、4日後の12日付けで事業者に「指導書」を交付しましたが、このわずかな期間に担当課が指導事項について検討し、起案文書を作成し、市長の決裁を受けたことは、あまりにも拙速と言わざるを得ません。市役所内での検討・起案・決済の経過を明らかにすることを求めます。

@StopDCHino 2024

日野、データセンター、環境とくらし 

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