
世界的にデータセンターの火災が問題になっています。
データセンターの火災は、その特性からなかなか消えません。
フランスでは最近2つのデータセンターが全焼しています。
左の動画はストラスブールのデータセンターの火災です。
ほかの国でも「データセンター火災」は頻発しています。
欧州や米国では住宅地の隣接地になかったので住宅への類焼はしていません。フランスでとくに酷かったストラスブールのDC(動画参照)はライン川の中州に建設していて、住宅地がありませんでした。
2024年9月にもシンガポールでアリババのデータセンターが24時間以上燃えました。
日野台に三井不動産が計画しているデータセンターは住宅街に隣接しており、火災類焼の危険性は…??
データセンターの火災が消せないのはデータセンターの特性です。
とくにバッテリー類が燃えて、簡単に水では消せないのです。
内部には無停電電源装置も無数にあるため、劣化や作業ミスから発火するのです。
また、「アークフラッシュ現象」(注1)もおきたりします。
三井不動産のデータセンターの例では、多摩市内で建設・完成直前(下段)の
データセンターが火災になり、作業員が5名亡くなっています。
三井不動産の2024年10月の住民説明会では、多摩市の件(下記)は、
「取引先に関する秘匿情報なので詳細はお伝えできない」と回答しています。
※過去6年間でデータセンター火災が世界の8000施設で14件の発生。Google社の上級アナリストは施設全体を破壊しかねない火災リスクを軽視しないように警告しています。

(注1)アークフラッシュ現象とは、電気回路の短絡や異常な使用によって発生する電気的爆発です。高電圧電流を原因として、空気中で激しい電気火花を伴いながら放電します。高熱電気アーク は最大20,000°Cで、太陽表面温度以上となります。
クリックすると
記事が読めます
Tokyo MX TV ニュース 2018年8月28日 東京・多摩市の5人死亡火災で
三井不動産が開発していた多摩市のデータセンターの火災の実態
三井不動産が開発していた多摩市のデータセンター火災について、「隠された人災」(松本健造著・緑風出版)のなかに、詳しい報告がありました。
作業員5人の死亡原因は「青酸ガス中毒死」であったということです。
データセンターはコンピュータ・サーバーを冷却し続けなければならないという宿命があり、温度を保つために断熱用のウレタンなどを壁に吹き付けています。そのウレタンが青酸ガスを発生させます。
「隠された人災」の目次(抜粋)
第2章 多摩ビル火災の全犠牲者に青酸ガス
▼死因の真相が隠されてきた「からくり」
▼鑑定書に書かれていたこと
▼早い青酸ガスの半減期
▼危険な発泡ウレタン
青酸ガスはわずかな時間で人間を行動不能にします。
多くの死傷者(死亡5名、負傷者43名)がでたのは有毒ガスが原因・・
断熱効果がある発泡ウレタンは、一応「難燃性」があるとされています。しかし、
「いったん火が着くと激しく燃え広がる欠点を、今回のビル火災が明らかにした」
今回の日野のデータセンターの断熱材がどのようなものになるかはわかりませんが、
最近の傾向としては、費用効果の点から発泡ウレタンのようなものを吹き付けるの
ではないでしょうか。
中国広東省河源市元城区のアリババ・データセンターで火災が発生。制御ボックスの配線にショートが発生し、火災、数百人が避難した。2024年12月9日
Alibaba Cloudのデータセンターでリチウムイオンバッテリーの爆発に起因する火災 24時間以上燃えた 2024年9月10日発生
ストラスブールのOVHcloud火災事故は、無停電電源装置保守の翌日に発生に起因する火災でアークフラッシュも 2021年3月10日発生→
アイオワ州カウンシルブラフスにあるGoogleのデータセンターで、アークフラッシュが発生。3人が負傷。 2022年8月8日発生
上段のストラスブールのデータセンターはライン川の中州にあり、倉庫などがある場所で、周辺に住宅はありませんでした。
©google map ライン川の中州で独仏国境地帯
通信大手・中国電信の高層ビルで、湖南省のネット回線の接続拠点
韓国、板橋SK C&C(カカオなど)データセンター火災現場。発火地点の地下3階電気室のリチウム・バッテリーが燃えてた。
カリフォルニア州のDigital Realtyの施設で火災。ラック内で火災が発生し、消防署が2つのサーバー施設を閉鎖 2023年5月21日
米国の研究所は加入する法人組織のデータセンター火災が、6年間に世界8000施設で14件の発生と報告している。
Google社の上級アナリストは施設全体を破壊しかねない火災リスクを軽視しないように警告しています。
※上記以外にも火災や事故は起きています。
※2023年だけでも、それ以前より増えているようで、その後小規模のものがあまり報告されていないような感じも・・??
※最近のデータセンター火災・事故の内容は公開されないことが多く、三井不動産が答えなかったように「企業秘密」として、詳細に知らされないことが世界的におきています。
★ドイツの建築誌は「電気火災は依然として最も深刻なリスクのひとつである。データセンターのインフラ障害の6%が火災に関連している。」と述べています。
ドイツ最大のデータセンターで事故。六フッ化硫黄が漏れた。従業員2人が呼吸器系負傷の可能性。消防隊の活動は一晩続いた。
(無味無臭の六フッ化硫黄は高電圧技術の絶縁に使われており、最悪の場合、吸い込むと死に至る) 2023年7月19日
世界的に、無停電電源装置やバッテリーからの出火が多いようです。バッテリーや装置の劣化、それに伴う点検作業や更新作業、設備工事などでの作業時に、比較的大きな火災が発生しやすいようです。
↙最新情報も
← UPSシステム内出力分岐盤での導電性異物による短絡
← 消防車が出動する事態に
How Data Centers Became Hot Real Estate Investments
データセンターはいかにして注目の不動産投資となったか CNBC
必ずしも周辺住民から歓迎されていないことも触れています